時は満ちた。世界のあらゆる事象がシンゴジラへと導いている。
ハリウッド版のゴジラ映画が2本あるのだが、2本ともまとめて観終わった。
これは疲れた。拷問レベルであった。
まずは、1998年版。
ゴジラの造形がすごい。完全にトカゲ。
また、ゴジラのクセにアメリカ軍が発射するミサイルをヒョイヒョイとよける。
ゴジラは相手の攻撃をすべて受けてから反撃するという、いわばプロレス様式にのっとったバトルが楽しいわけであって、これではゴジラにならない。
さらに、ゴジラのクセにやたらと素早い。動けるデブみたいで違和感。
全体の流れとしては
ゴジラが出た!
攻撃してもゴジラに当たらないし逃げたし街は崩壊!
ゴジラは卵を20コくらい産んで繁殖する可能性がある!
ゴジラに魚雷が命中して倒した!
でも巣に卵があるかも!
巣に卵あった! 20コどころか200コwww ウケるwww
卵からめっちゃたくさんゴジラの子どもが産まれてヤバい!
巣を爆撃してゴジラの子どもやっつけた!
倒したはずのゴジラ生きてた! 死んだ子どもを見てブチ切れ!
やったー!
でも巣にまだ卵が残ってて、最後にゴジラの子どもが出てきた!
めでたしめでたし!
こんなところだろうか。
この作品でのゴジラは魚が大好物で、魚をバラまいたところに寄ってきたりと、これも違和感。
先日観た「ゴジラ FINAL WARS」でX星人が出した怪獣がすぐにゴジラに倒されたさいに「やっぱマグロ食ってるヤツはダメだな」と言っていたのだが、その怪獣に見おぼえがなかった。どうもネットで調べたところ、このハリウッド版ゴジラだったっぽい。
ゴジラ映画というよりは、完全に「ジュラシックパーク」をお手本としたパニックアクション映画だった。
けっして、つまらないわけでは、ない。
つぎに、2014年版。
こちらは、ゴジラの造形はまあよし。
ゴジラが200匹も出てこないし、ほかの怪獣とキチンと戦うのもまあよし。
それでもゴジラ映画としては観られない違和感。
これよりもヒドいゴジラ映画は過去に何本もあったと思うが、なにか言葉にできないゴジラじゃない感がただよう。
ゴジラが敵怪獣の口を両腕でこじ開けて、そこにブレス攻撃をするのも、フィニッシュムーブとしての魅力に欠ける。
個人的には、おもしろさという点では、1998年版のほうが上だ。
なんでもウワサによると、ハリウッド版のゴジラは、数年先にまた新作がひかえているという。
このウワサじたいが、ゴジラという脅威そのものである。
そこで、ゴジラである。
ついに。
ついに、すべてのゴジラ映画を観た。
まるで完全体になった気分である。
全知全能の神になった感。
これで満を持して、シンゴジラを観に行ける。
待ってろよ、シンゴジラ!!