「言の葉の庭」と「きね子」の共通点
自分が高校生のころゲーセンによくあった、腕相撲のゲームやパンチ力を計測するゲーム。
いまでは、とんと見かけなくなった。
そもそも、あんなモノに金を使うのはゲーマーとしてありえないのだが。
まずは、腕相撲のゲーム。
このゲーム、センサーがよくできていたのか、両手を使ったり、ふたりがかりでやろうとすると、なぜかかならずバレて失格になってしまった。
いまでも、どうやってズルを検出していたのかが、わからない。
また、とくにハマっていたわけでもない。
プレイする人のDQN度が高かったのであろう。
すぐに腕のガワが割られていて、故障中になってしまった。
つぎに、パンチ力を測定するゲーム。
これは「ソニックブラストマン」が有名だと思うが、とくにソニックブラストマンに思い入れがあるわけでもない。
これから書くパンチ力を測定するゲームは、ソニックブラストマンではなく、ホントに無名の機種。
もうメーカーすらおぼえていない。
100円玉を1枚入れると小さなうす汚いサンドバッグが起き上がり、3回パンチ力を測定できた。
サンドバッグの奥にある画面には、いかにも悪そうな不良や、チンピラ、ヤクザや外タレの絵が表示された。
サンドバッグをぶん殴ると、不良やチンピラの顔が凹み、3回のパンチ力の合計がステージごとに規定された数値に達すればつぎのステージに進めるといった内容だった。
ふだん、こんなゲームはやらないのだが、学期末の日などは、ゲーマーでもない一般人(いまでいうウェイ系)のクラスメイトもゲーセンに来ていた。
一般人のクラスメイトには、身長が190cm以上ある男子がいて(以下「S」とする)、そいつがパンチ力を測定するゲームをはじめた。
最初のステージの1回めのパンチ。そいつは125kgという数値を出した。
これがすごいのかどうかは、わからない。
うしろで見ている自分に気づいたSが声をかけてきた。
「ちょっとやってみる?」
まあ、うしろでSを見ていたわけではなく、となりにいたどこの学校かもわからないSのカノジョらしいギャルを見ていただけなんだが。
パンチ力というのは、ただ拳を対象にぶつけるだけでは威力はほとんど、ない。
足の移動や腰のひねりなどをすべて拳に乗せないと意味がない。
マンガの知識でそういうことを知っていた自分は、それっぽくやってみたが、けっきょく結果は80kgしか出なかった。
(さらに、これで手首を痛めて、1ヶ月くらい痛みがおさまらなかった)
グローブをSに返す。
Sの3回めのパンチは、グローブをつけなかった。
Sの3回めのパンチが炸裂。
正確にはパンチではなく、長身ならではのヤクザキック(前蹴り)だった。
パンチ力を計測するゲームでキック。ホンモノのDQNである。
数値は185kg。
「こいつとだけはケンカしたくない」と本気で思った。
とくにあいさつするわけでもなく、その場を離れた自分は、すぐにスト2やメダルゲームに夢中になり、そのあとのことはよくおぼえていない。
そして夏休みが終了して新学期初日。
Sは学校を休んだ。
それどころか、Sは学校に来ないまま数カ月後に自主退学した。
あとで聞いた話によると、体内に銅ができるという病気だったらしい。
体内に銅ができる病気。当時は完全に意味がわからなかった。
インターネットというのは便利である。
調べればなんでも教えてもらえる。
たまたま思い出して、その病気について調べてみたが、けっこう深刻な病気らしい。
パンチ力を計測するゲームをプレイしたのは、それが最初で最後の1回であった。
これからもプレイすることはあるまい。
そこで、「事の葉の庭」である。
一発でやられてしまった。ズキュン。
なんでおまえら、そのまま付き合わないんだ(怒)
なんで靴を渡してないんだ(怒)
など不満点もあるが、女性の足指の描写だけで神アニメ確定。
また、雨の描写がとくによい。
この動画の2:35からに注目されたし。
「きね子」という、アイレムから発売されたディスクシステムのパズルゲームの「タップ・タップ・タップ」というステージを連想させる。
ていねいに描かれた雨の描写は、すばらしいのひとこと。
「きね子」はまさに「動くジグソーパズル」と表現するのがピッタリなゲームで、パズルゲーム好きで知らない人は、完全に人生を半分ドブに捨てているレベルなので、どんな手段を使ってでも、プレイしてクリアしたほうがいい。
そして「パズルゲーム好きで「きね子」を知らない人は、完全に人生を半分ドブに捨てているレベルwww」と公言しよう!