絵本のシナリオを書いたので、だれか挿絵を描いてくれないか
どこかの銀河系のどこかの惑星のどこかの小島に、とある王国がありました。
この王国には、王国が主催する大々的なお祭りがあります。
国民は、お祭りを楽しみにして生きています。
ふだんのつまらない日常。
たとえば、学校や仕事でしょうか。
国民は、お祭りのために、つまらない日常を必死に乗り越えています。
お祭りが近くなると、否が応でも期待が高まります。
とある国民は、お祭りの前日の夜に、道ばたで紙切れを拾いました。
その紙切れには「はちにんのおうじと はいぱいんを わすれるな」と書かれていました。
その国民は、この意味がすぐにわかりました。
しかし、この紙切れを拾ったのが自分ではなく、もっと偉い人だったらよかったのにと思いました。
ついに、お祭りの日がきました。
このお祭りは、3日間続きます。
国民は、お祭りがはじまったので大騒ぎをしました。
それはもう、地面を揺らすような盛り上がりです。
しかし、1日目のお祭りがつまらないと思う国民もいました。
つまらないと思った国民は、周囲の国民にもつまらなかったと吹聴しました。
ちなみに、このお祭りは国民に参加義務はありません。
「そうか、つまらないのか」
「前のお祭りよりつまらないなら参加しなくてもいいかな」
そんなことを考える国民も出てきました。
そして、お祭りの2日目がはじまりました。
1日目とちがって2日目のお祭りは国民の支持も高く、それはそれは盛り上がりました。
1日目のお祭りがつまらなかったと吹聴していた国民は手の平を返したように、2日目のお祭りを褒め称えました。
1日目のお祭りがつまらないと聞いて2日目のお祭りに参加するのをやめた国民は怒りました。
1日目のお祭りがつまらないと聞いても2日目のお祭りに参加した国民は笑いました。
人の評判を気にせずに2日目のお祭りに参加した国民は笑いました。
1日目のお祭りと2日目のお祭りの両方を楽しいと思った国民もいました。
この王国は、とても国民に愛されています。
そして王国も、国民のことを考えています。
だからこそ、3日目のお祭りも楽しいにちがいありません。
「はちにんのおうじと はいぱいんを わすれるな」と書かれた紙切れ。
もしかしたら、あなたの足もとにも落ちているかもしれません・・・・。