ウエストビレッジシュラインとゴジラ
自分が気が向いたときに観に行く「でんぱ組.inc」というアイドルグループが、年明けに検定イベントを開催することになった。
なんでも、でんぱ組.incについてどれだけ知っているかを60の質問でヲタクに問いかけるらしい。
まさか、この歳になって、試験を受けるハメになるとは思わなかった・・・・。
そこで、学生時代である。
学生時代に普通自動車の運転免許証の試験を受けることになったが、偶然にも友人も同じ日に試験を受けるというので、朝早くから駅前で待ち合わせをした。
この友人を仮に「W」とする。
駅から試験会場(免許センター)に向かって歩きはじめると、Wがソワソワしながら「その前に西村堂に行こうぜ」「西村堂に行けばまちがいないらしいぜ」と、なぜか自分を西村堂という場所に連れていこうとした。
あまりにもしつこいので、西村堂とはいったいなんなんだと問いただすと、なんでも西村堂という場所に行けば、試験に一発で合格する秘訣を伝授してくれるという。
Wに言われてから街並みをながめていると、たしかに「一発合格するなら西村堂」「試験の前には西村堂」といった看板が、いたるところにある。
ほかにも免許一発合格みたいな看板はたくさんあったが、とにかく西村堂とやらの看板は群を抜いて多かった。
昔の首都高速でやたらと目にする「ワールド」という赤い看板よりも多いといえば、その異様さが、わかってもらえるだろうか。
とにかく西村堂の看板が無尽蔵に存在した。
なんなんだ西村堂。西村堂カワイイよ西村堂。
はぁ・・・・西村堂ちゃん・・・・。
というわけで、何度も西村堂に連れていこうとするWを強引に振り切り、自分はふつうに免許センターに行ってふつうに試験に合格した。
そして、西村堂に寄ったWも、試験に合格した。
実際に運転免許を持っている人ならわかると思うが、試験問題はヒドいものである。
◯✕形式で
「自分は酒に強いから、コップ1杯のビールを飲んだくらいなら運転してもよい」
「覚せい剤は気分がスッキリするから運転前に使用してもよい」
「外を歩いていると、いつも誰かに見られている気がする」
といった問題が、延々と続くのである。
自分は自慢じゃないが、名前を漢字でフルネームで書ければ合格できるような高校(偏差値でいうと64くらい)だったが、この試験に西村堂とやらの協力がホントに必要なのか、はなはだ疑問であった。
気になって調べてみると、この西村堂。
いまではtwitterで公式アカウントも存在しており、やっぱり「免許を取るなら西村堂」ということらしい。
いまではすっかり疎遠になったW。
自分が死ぬまでに、ホントに西村堂が必要だったのかを聞きたい。
彼は自分よりよっぽど頭がよかった。
インターネットもない時代。
西村堂の情報を真っ先に見つけてきたWは、まちがいなくアーリーアダプターであり、まちがいなくインフルエンサーだった。
気になるのは、西村堂のような存在があるということは、免許センターの内部にその情h
(文章はここで途切れている)