ファミコン版エグゼドエグゼスの悪意とゴジラ
徳間書店から発売された「エグゼドエグゼス」というファミコンのシューティングゲーム。
これはプレイしたことがある人が全員口をそろえて言うだろう。
クソゲーである。
ほかの追随を許さないクソゲーである。
「カラテカ」「スペランカー」「バンゲリングベイ」などのバカゲーではなく、クソゲーである。
エグゼドエグゼスはもともと、カプコンが出したアーケードゲームである。
ファミコン版とは完全に別モノ。
カッチリと作りこまれているが、同時期にあった「ツインビー」などに敗北。見た目の地味さもあり、商業的には完全に失敗だった感が強い。この記事は、アーケード版のエグゼドエグゼスについてはこれ以上触れていないので誤解なきよう。
ファミコン版エグゼドエグゼスのヒドさは、おそらく自分が書くまでもなく検索すれば星の数ほど叩いている記事が出てくるだろうが、すこしだけ書いておこう。
ファミコンは横にキャラクターを表示できる数に上限があり、これはハードの制約で避けようがない。
ドラゴンクエスト3をプレイしたことがあるなら、すぐにピンとくるはずだ。
画面を高速でチラつかせて、キャラクターを交互に表示させているのである。
エグゼドエグゼスは、すぐに画面がチラつく。
ドラクエならよい。
しかし、エグゼドエグゼスはシューティングゲームである。
チラつくだけならまだマシだが、このゲームの説明書がヒドい。
「敵がたくさん登場すると、フラッシュ攻撃をしかけてくるぞ」
フラッシュ攻撃なんてモノは存在しない。
ハードの制約上、チラついているだけである。
自分たちの技術のなさを棚に上げ、あたかもフラッシュ攻撃などというモノを意図的に組みこんだように説明するクソさ加減がハンパない。
当時、小学4年生か5年生だった自分ですら、説明書を見てクソだと思ったものである。
いちばんダメなのは、そんなクソゲーを買ってしまった自分だ。
「ファミリーコンピュータマガジン」という雑誌で大々的に特集を組まれたエグゼドエグゼス。
こんなにおもしろいゲームをやらないなんてウソでしょ!
というレベルでの取り上げかたをしていた。
ファミリーコンピュータマガジンは徳間書店の雑誌である。
そう、まさに提灯記事のお手本だったのである。
そこで、ゴジラである。
おもしろいと騒がれているコンテンツが、自分にとってはつまらないことはよくある。
「みんながおもしろいと言ってるからおもしろいのだろう」という思想は危険である。
フラッシュ攻撃などと本来ありえないモノを、さもそこにあるように言う悪者もたくさんいる。
「おもしろい」と「つまらない」
この最低限の感性くらいですら自分で判断できず人に流されるようでは、人生超ツマラナイと思う。